児童虐待などの児童相談体制について 令和2年2月28日予算特別委員会 にて質問   田中 ひでかつ 練馬区議ウェブ議員新聞

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児童虐待などの児童相談体制について

子育て支援

田中 ひでかつ

田中 ひでかつ

練馬区議会自由民主党

練馬区議会自由民主党 副幹事長

2020-5-9

令和2年2月28日予算特別委員会 にて質問  

◆質問
◆田中ひでかつ委員

 私から、子ども家庭支援センター維持運営費、予算額約7億3,500万円。子ども家庭支援センター整備費、約3,350万円。他会派からもいろいろ質問が出ておりましたが、練馬区の児童虐待を含めた児童相談体制について伺ってまいります。

 今回の都区共同モデル事業として、都の広域的専門的な支援。
ここが大事なのだと思うけれども、それを組み合わせた実質的な連携により、迅速かつ一貫した児童虐待への対応や練馬子ども家庭支援センターのレベルアップを図るという事業内容。
 そこで、子ども家庭支援センターの人員を8名増加する。

 私もいろいろ調べたのですが、この児童相談の専門性を持つ児童福祉司、この方々の仕事は、児童相談所において虐待対応協力員、医療連携専門員、家庭復帰支援員、養育家庭専門員、児童相談業務事務員など。一時保護所においては、児童相談所学習指導職員、児童相談所心理職員、一時保護所業務事務員、一時保護所管理業務支援員。多岐にわたる各施設内で役割が細かく分かれているわけでございます。
 そのほかにも、専門性を持つ弁護士やケースワーカーを雇い入れないと、児童相談所はうまく経営ができない。こういう人材は不足しているという先ほどの議論がございましたが、なぜなのだろう。
 これは、大学でこういう専門性の強い学部や学科が少ない。もともとこういうことを学ぶ人材が現時点で不足しているわけです。ほかの大学には政経学部や法学部、文学部はたくさんある。しかしこういう事例を扱う学部が少ないから人材が少ない。そう聞いているが、いかがでしょうか。


◎答弁
◎こども施策企画課長 

 まず人材につきましては、現在、児童福祉司や児童心理士など、その確保および育成は非常に大きな課題となってございます。現状実際の状況を申し上げますと、例えば都児童相談所では、児童福祉司を増員してございますが、必要な人数を確保できていないと聞いてございます。
 また、児童相談所設置の意向を示している区におきましても、新宿においては人材の確保、育成の面から、開設時期を延長いたしました。
 また、文京区におきましても、今月、同様の、人材の確保が困難だということで、開設時期を延期し、その間、都との連携を強化していく方針が示されたところでございます。
 人材の育成には、大学での養成カリキュラムが限られているということなどに加え、何よりも実務経験が欠かせないものであると認識してございます。
 福祉人材は奪い合いの状況にあると捉えてございます。


◆質問
◆田中ひでかつ委員 

 今の答弁で、人材の奪い合いの状況にあるという、最後一文がありました。
 先ほどからも議論になっていますけれども、特別区でもこの児童相談所設置していいことになった。設置してもいい。いいのであれば、それに取り組もうとしている区もいくつか出てきている。しかし人材不足であるから、恐らく困難であろう。
 まず、規模にもよるのでしょうけれども、それぞれの区で児童相談所を自前で設置しようとすれば、どれほどの財源が必要なのか。
 今回財政調整協議会の話も出ていたけれども、結果も併せて、ざっくりしか計算できないでしょうけれども、どう思いますか。


◎答弁
◎財政課長
 
 財政調整協議会の中で、区側で整理した世田谷、江戸川、荒川の3区の来年度の児童相談所設置運営にかかわる基準財政需要額については、開設準備で5億、運営費等で49億と把握しています。ただ、実際の予算額は、更にそれを上回る額を各区計上していると聞いています。
 協議を経まして、区側で整理した内容をベースに、設置実績に基づく加算型の補正で需要額算定されることになりました。
 一方、配分割合も0.1%に変更されましたが、その0.1%であると規模的には18億円になりますので、区側の主張する50億規模の需要額とは大きな乖離があります。
 都が言うには、現時点ではまだ設置実績がなく、合理的な額の検証はできないということで、あくまでも今回は特例的な対応という主張をしている一方で、区側も今回の変更の規模あるいは考え方についても、区側の主張とは依然として大きな乖離があるものの、都がぎりぎりの判断として受け入れたとしておりますので、都区間で見解の相違がある中での合意でありまして、今回の取り扱いについては大きな課題が残ったのかなということになっております。


虐待の児童相談の増加について

◆質問
◆田中ひでかつ委員 

 子どもの命を救うために、お金がかかるからつくらなくていいということは私は言わないけれども、建物は莫大な財源を使ってつくる。しかし、人材は不足している。つくってしまえば、東京都も協力してくれない。
 仏つくって魂入れずということわざがある。恐らく、前川区長は東京都の保健福祉局長をお務めだったから、この問題には23区の区長の中でも一番造詣が深いわけです。区長は、恐らくそれを心配して、こういう新しい体制を練馬区としてはつくったほうがよいのではという判断を下されたのではないかと私は思っております。
 先ほども一部議論になったけれども、練馬区の子ども家庭支援センターで受けている児童相談件数は、26年度の2,742件から平成30年度は6,402件と、7割増加している。
 しかし、子育ての不安を抱える保護者が相談する件数は6,400件に増えているけれども、児童虐待の疑いがあるとする相談件数は、近年でこぼこはあるけれども横ばいなのです。そういう児童虐待のおそれがある件数は横ばいであるけれども、児童相談件数だけが7割増えている。こういう忙しさ、忙しいから児童虐待を見逃さないか、私はそれを懸念している。いかがでしょうか。

◎答弁
◎こども施策企画課長 

 児童相談件数が急増する中、特に保護につながる可能性のある重篤な虐待事案を迅速に見定め、必要な支援につなげていくことが、子どもたちの命を守るためには必要であると考えてございます。
 福祉人材の確保が困難な中、人員増以外の取り組みや工夫も必要であると考えてございます。
 現在、都児童相談体制等検討会におきましては、東京ルールで定められている児童相談所と子ども家庭支援センター共通のリスクアセスメントシートをアプリ化し、調査の進行具合や危険度を示し、点検サイクルの指標とすることを予定するなど、業務の効率化に係る仕組みも検討されてございます。
 加えまして、東京都においては、来年度からリスク判定機能を備えた児童相談システムの構築に向けて、大学と連携した研究調査を実施すると言ってございます。
 練馬区におきましても、子ども家庭支援センターが管理している児童家庭相談システムに、AIによる虐待のリスク判定機能を付与するなど、子ども家庭支援センター職員の業務負担の軽減や重篤な虐待事案を見定めるためのリスク管理の向上に寄与する仕組みを構築できないか検討してございます。
 区独自の工夫も、積極的に取り入れていきたいと考えております。


◆質問
◆田中ひでかつ委員

 ぜひ重篤な事案を見逃さないように、工夫を凝らしていただきたいなと思っております。
 それと、以前、文教児童青少年委員会で私もメンバーで、九州のある都市の児童相談所を視察に行ったときがございます。そのときの所長が、すごく丁寧に説明をしていただいて、勉強になったなと思って帰ったのを覚えているのです。
 その方が言ったことは、「児童相談所は、虐待が認められ、保護を必要と判断した場合に、その子どもを受け入れ保護する施設が必要となるけれども、親がその子どもを取り返そうとするため、外から入れないように鍵をかける。また、その子どもは、親から虐待を受けていたとしても、やはり家が恋しい、親が恋しいがために、その施設を抜けようとする。帰りたい。そういった子どもが脱走しないように、内からも鍵をかけている。適切な表現ではないと思うが、いわゆる監獄である。」こういうことをおっしゃったことを、私は記憶して覚えているのですけれども、もし練馬区でつくるとすれば、そういった施設をつくることになるということなのでしょうか。

◎答弁
◎こども施策企画課長 

 一時保護や施設入所には、親の連れ戻し防止のため、地域から子どもを離すことが必要であります。
 練馬区は、23区の中では比較的規模の大きい自治体ではございますが、大人から見れば練馬という限られた区域のどこかの施設に子どもがいるとわかれば、居場所を探し当てることが想定されます。
 児童養護施設など重篤な子どもたちをケアする施設は、多摩部と他県で6割。社会資源は分散されてございます。
 区が児童相談所設置、一時保護所を設置となりますと、先ほどお話のあったように、区の中で対応する必要になってございます。
 今申し上げたように広域対応といったものは、練馬区だけで対応できるものではございません。そういった意味で、児童虐待への対応には広域対応が必要であると考えてございます。


◆質問
◆田中ひでかつ委員

 私は、東京都の児童相談所、場所を確認するために行ったことがございます。JR山手線で電車で高田馬場でおりて、駅からバスに乗りかえて到着したのを覚えていますが、それぐらいの少し遠い距離感があったほうが、そういう事態は避けられるのではないかなということを、そのとき感じました。
 それと、これは全国の資料です。児童虐待による死亡事例の推移の資料ですね。これをいただいたのだけれども、平成15年からの資料でございますが、平成15年は25人が亡くなっている。一番多いのは平成19年、残念なことに142人の子どもの尊い命が奪われている。29年度は65人でした。

 0歳児の割合は47.9%。驚いたのは、中でも0日児、産まれたその日、割合は19.1%。更に3歳以下の割合は77.2%を占めている。加害者の割合は、実母が55.1%と最も多い。家庭における地域社会との接触がほとんどない事例は、39.1%であった。

 この資料を見て、重大な点に気づいたのですが、毎年心中が半分を占めている。
 例えば平成19年、142人子どもが犠牲になっています。その中で64人が親子心中なのです。平成20年、128人が命を落としているが、61人が心中。児童虐待というこの人間社会の闇を見たわけですけれども、その奥に更に深い闇が隠されているのかなと、この資料を見て私はそう感じました。
 考え方として、虐待をされている子どもを救わなければいけない。それは当然です。今でも思っておりますが、もう一方で、虐待を行い、そしてみずから命を絶とうとする親を救わなければいけないという大きな問題がこれから先問われているのではないか。そこをどう対応していくかが問題であると思います。いかがでしょうか。


◎答弁
◎こども施策企画課長 

 区といたしましては、地域での子ども、親子の生活を守ることが必要であると考えております。
 都区連携のもと、一時保護された子どもの実態を分析していきたいと考えてございますが、一時保護された家庭の状況につきましては、ひとり親や精神疾患の母親が多いとも聞いてございます。
 子ども家庭支援センターでは、地域のきめ細かな支援として、親子支援や継続的なかかわりが必要な子どもへのサポート、妊娠期からの切れ目のないサポートとして、保健相談所との一体的支援を強化いたします。
 地域にある子ども家庭支援センターの役割や業務内容なども検討し、親子の生活を守るため、一時保護までいかない子どもなどへの対応も検討いたします。
 区ならではのきめ細かな取り組みを進めていきます。


◆質問
◆田中ひでかつ委員 

行政しか手を差し伸べることができないことだと思います。ぜひ練馬区の体制の充実を望みます。


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