考えるべきことは 2012年 7月 18日 関口 和雄 練馬区議ウェブ議員新聞

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考えるべきことは 2012年 7月 18日

環境行動

関口 和雄

関口 和雄

練馬区議会自由民主党

練馬区議会自由民主党 副幹事長

2018-10-10

暑い週末だった。

今日は誕生日だったのだが
これほど暑い時期に
子どもを産むのは、
母もきっと大変だっただろう……と

焼け付くような陽射しの中、墓に手を合わせながら
改めて、おもった。


ところで。
ニュースによれば
「さようなら原発」というタイトルのもと

作家の大江健三郎氏や
作曲家の坂本龍一氏らも呼びかけ人となった
脱原発の集会が
代々木公園で行われたそうだ。

主催者発表で17万人、
警察の発表でも7万人という人々が集まり
炎天下
都心部をデモ行進したという。

インタビューされている人のコメントを聞くと
「子どもたちの未来のために、原発をなくすべき」
「これだけ多くの人が反対しているのだから、今すぐとめるべき」
というものが大半である。

壇上で意見を述べていた著名人と呼ばれる人たちも
大江氏は
「今の状況は、政府に侮辱されている」
坂本氏は
「たかが電力のために、命を危険にさらすのか」
などと
かなり激しい言葉を使って
「脱原発」を訴えていたようだ。


東日本大震災と
それに端を発する福島第一原発の事故により
未だふるさとに戻る目処すらたたない方々が
多くいることは事実である。

福島第一原発についても
地震情報が流れたり、東京でも揺れを感じたりすると
「大丈夫だろうか……」と
心配になるのも、また、事実である。

原発を建設する時点では
分からなかったとされる活断層が
新たに指摘されるなど
技術面での問題が出てきていることも、事実だ。

このようなことをおもうと
「原発の安全性」について
さらなる検討や調査をし
「今ある原発を安全にするにはどうするか」
「これから新たに原発を作るのか」
といった議論は
もちろん、早急に必要であろう、とおもう。

しかし、である。
「脱原発」か「原発継続」か
という二者択一しかない
単純で、ある種感情論的すぎるきらいのある議論で
この問題を終わらせていいのだろうか。

本当は
「日本で使用する電力は、実際どれくらい必要なのか」
「それをまかなうには、どうすればいいのか」
「まかなう方法はどうするのか」
ということを分析、検討し、
政策的にどうするか、という決断が必要なのではないか。

そして
考えなければならないことは、多々ある。

原発立地自治体に暮らす人々の生活はどうするのか。

今ある原発をどうするのか。

では、例えば
原発を他のエネルギー源に切り替えるとして
それまでの間、
電力をどうやってまかなうのか。

もし、節電が必要となったとき、
私は、あなたは、「辛抱する」ことができるのか。

……いかがだろうか。

橋下大阪市長が
当初は、大飯原発の廃炉を強く求めていながら
夏の電力不足についての資料を検討したとたん
一転して再稼動に賛成した、ということがあったが

これなど、いい例である。

様々な現状を見れば
「原発は危険だ、廃止すべきだ」と
主張することは簡単であるし
ある意味、現在の世論の支持は得やすいだろう。

しかし、様々な可能性や実態を
丁寧に検証し、政策として検討しない限り、
結局
「夏限定で稼動すべき」
などという、場当たり的対応になってしまう。

それでは、何も進まない。解決しない。

自分自身、議員という立場であるが
これほど、政治も政策もない状況が続く日本に
大きな不安と、危機感を、おぼえる。


この夏、自分で調べてみたいとおもっているのが
家庭で使っている分だけでなく
自分が関わる社会の中で使っている分も含めて
「いったい、自分はどれほど電力を消費しているのか」
という数値である。

まずは
自分が使っている電力を
「電気料金」ではなく「数値」として感じ

本当に使わなければならない分は
いったいどれくらいなのか
考えてみたい、と、おもう。


もう、すでに
電気がなければ成り立たなくなってしまった
現代社会に生きる私たちにとって

本当はもう一度
冷静に考える必要があるときが来ている、と、おもう。

考えるべきことは