朝晩の
少しひんやりとした空気に
いよいよ秋の訪れを感じる
この頃だ。
記録的な猛暑となった今年の夏
子どもや孫と一緒に
動物園や水族館へ出かけた方も多いだろう。
日中関係の緊張もあり
賛否両論ある中で
上野動物園にパンダがやってきて
早2年半が経った。
パンダが戻ってきてから
上野動物園の入園者数は
順調に増加しているそうだ。
今年もまた
パンダの赤ちゃん誕生に
期待が高まったが
残念ながら
そうはならなかった。
まだ若い2頭だから
今後
かわいい子パンダを見られることを
期待しよう。
ところで
日本でパンダを見ることができる動物園は
3か所ある。
そのうちのひとつ
和歌山のアドベンチャーワールドでは
これまで12頭の赤ちゃんパンダが誕生している。
先日
インターネットのニュースサイトで
同園について書かれた
興味深い記事を読んだ。
ここでは、パンダの飼育、繁殖について
ある方針があるのだそうだ。
一般的に
パンダは夏に生まれて
早ければ1年2、3か月、長ければ1年半で乳離れし
乳歯が抜けて永久歯に生え変わると
ようやく竹を食べられるようになるのだが
同園では
この期間には
新しい子どもを身ごもらせず
子育てに専念させている。
個体数を増やすことを目的とすれば
中国の繁殖施設のように
毎年、繁殖期に人工繁殖させ
その後は人工保育する方が
確実で早いのだが
ここでは、あえてそうしないという。
その理由は
「子どもパンダが、お母さんを見習えるようにするため」
なのだそうだ。
育てられた期間が長いほど
母親の行動を覚えていて
いいメス、いいオスになる。
わざと1年半ゆっくりと子育てさせるのです
同園の業務課長さんの談である。
母親パンダにとっても、
2年に一度の
ゆったりとした子育てならば
余裕が生まれ
次の子づくりにも前向きになるのだという。
人工飼育のパンダは
子育ての仕方がわからず
育児放棄をしてしまうことも多いそうだが
今、初めての子育て中の
同園の母親パンダは、
際立って子育て上手だったその母親のように
子どもの扱いがうまく
「子育てするのは当たり前」
だとおもっているようにさえ
感じられるほどなのだという。
パンダにも
親のそばにいることで
身につけていくことがある。
人間も同じだと、おもう。
生まれてから
乳離れするまでの間の
ほんの数年間でいい。
ゆったりと、我が子と向き合い
子育てに専念できる環境にあれば
親はちゃんと親になり
子どもはその親の姿を見ながら
育っていくにちがいない。
それが難しい社会になったことが
少子化の進行や
虐待など子育てに関する問題の増加に
つながっているようにも、おもう。
我が子の肌を離さない子育てができるような
そんな施策が実現できないか。
これからの
私の政治課題である。
パンダと子育て
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