日本語には
雨を表す言葉がたくさんある
一説によれば
400を超える「雨」があるのだそうだ
美しい響きを持つ雨も、多くある
しかしどうも今年は
「豪雨」という言葉ばかりが
目立ったようにおもう
特に
関東・東北豪雨での甚大な被害は
自然災害であると同時に
一部の自治体において
予測される災害への対応と対策が
十分に機能しなかった結果であるようにも感じる
もちろんこれは
その自治体を責めるものではない
私たちの住む練馬区で
災害が発生したとき
自治体として
本当に適切な対応ができるよう
常に備えておく必要を
肝に銘じているところだ
海上保安庁出身で
南極観測隊の料理担当として越冬経験もある
西村淳氏の著作に
「身近なもので生き延びろ―知恵と工夫で災害に勝つ―」(新潮社)
というものがある
タイトルだけ見れば
災害時マニュアル本のような印象だが
実際には
「災害にあったとして
グチャグチャになってしまった環境でも
泣き暮らして他者の救済が舞い降りてくるのを
じっと待つだけでなく
少しでも居心地よく、楽しく、住みやすく、
そしてちょっぴり元気が出てくる方法」
なるものをテーマにしている
不意の災害に襲われた時
準備していたはずの防災グッズが
見当たらなかったとしても
その時そこにある
雑誌、新聞紙、段ボールに牛乳パック
ラップにガムテープにゴミ袋があれば
こんな風に使えるかもしれないという
前向きで明るいアイディアに
何となく
生き延びられそうな気がしてくる
著者は
厳しい気候と
極地ゆえの様々な制約と
脱出不可能な閉塞感のある場所
つまり
災害時の避難所のような環境ともいえる南極で
「そこにあるもの」を使って
様々な料理を作り
日々生活を営み
また海上保安官としても
海難事故の現場で
生命の危機に瀕した人々を
救い出してきた
それらの経験から
災厄やトラブルに遭遇したとき
人間として茫然としてしまうのは当然だが
その後
ただ悲嘆にくれているだけの人より
一度心をリセットして
その後の処理に当たろうとする人の方が
格段に
「立ち直りパワー」が強いことに
気づいたのだそうだ
だから
西村流究極の災害対処法は
「小さな楽しみを心の中に作る」
これだけでよい、という
こころを少しホッコリさせれば
復興に向かう人間力は
確実に高まるのだと
自然災害は
他人事ではなく
いつか自分も必ず向き合うものだ
施策的、物理的な備えはもちろんだが
まちを復興させる原動力となる
地域住民一人ひとりが
「災害時にあっても、ちょっぴり元気を出せるような備え」
についても
しっかり考えてみたいとおもう
究極の災害対処法
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