「出たい人」より「出したい人」 2016年 12月 1日 関口 和雄 練馬区議ウェブ議員新聞

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「出たい人」より「出したい人」 2016年 12月 1日

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関口 和雄

関口 和雄

練馬区議会自由民主党

練馬区議会自由民主党 副幹事長

2018-11-7

おかげさまで
今年私は、議員生活35年を迎えた

節目の年
よく、おもいだすのは
初めて選挙に出馬したときの
様々なことだ

そのころ私は
父の代からの自動車整備業を営んでいて
議員になる、などということは
まったく考えたこともなかった

それが
それまで支援していた議員に代わる人間を擁立し
次の選挙を戦わなくてはならなくなった
地元の方々の話の中で
様々な理由から
私の名前が出てきた、というのだ

出馬するよう説得にやってくる
地元の人たちの
「お前にやってほしい」という
真剣な気持ちに
押しつぶされそうになりながら
大変に悩んだあげく

私の足は
いつの間にか
奈良 薬師寺へと向かっていた

高田好胤猊下は
いつものように迎えてくださったが
何故私がやってきたのか
まったく訊ねもしない

三日ほど経ったころ
ようやく私が
ことの顛末とともに
「どうしたらよいか、分かりません」
と告げると

好胤猊下は、ただ、ひとこと
「関口、アホになれや」

この言葉と
薬師如来さん、日光さん、月光さんのお顔を見て

私はようやく
支えると言ってくれる人たちの気持ちに応えること
ただ、それだけのために生きる
「アホ」になろうと決心したのである

以来これまで
アホであることを自覚し
アホだからこそ
様々に人に訊ね、教えを乞い、
アホなりに考える議員生活だったとおもう


日本の政治史に
大きな足跡を残した女性政治家のひとり
市川房江氏の言葉に

「出たい人より、出したい人」
というのがある

私の思想信条としては
市川氏と
それに続く方たちとは相容れない部分も多いが

この言葉については
言い得て妙、というか

自分が議員になった経緯は
まさにこの言葉のようであったと、おもう

「出たい人」ではなかった私が
私のことを「出したい人」だと
おもってくれる人たちに支えられて
選挙を戦い議員となり

紆余曲折はありつつも
35年、議員として
仕事をする立場を与えていただけている

本当に
おかげさま・・・とおもわずにいられない
人生である


ところで
先般の都知事選では
この言葉の
奥深さと難しさとを
改めておもうことになった

他に先駆けて出馬を表明した小池氏は
その時点では
「出たい人」、であった

それに対し
自民党も他党も
「出したい人」を選んだ、と言って
別な候補を擁立した

しかし
その候補者が
「誰にとって、出したい人」なのか
「何のために、出したい人」なのかが
不透明であったと、おもう

そうこうするうち
本気で都政に向かおうとする
小池氏の姿勢と明快な発言が
有権者の心を動かし

彼女は
「出たい人」から「出したい人」に
そして「なってほしい人」に
なっていたのだと、おもう

そんな
「うねり」を感じさせる結果であった

今年も
残すところ二ヶ月を切った

好胤猊下の説法を読み返し
これからもアホであり続けねば、と
気持ちを引き締める

そんな晩秋の夜である

「出たい人」より「出したい人」