この夏、引っ越しをした。
区が進める
「密集住宅市街地整備促進事業」に伴う
生活基幹道路A路線の整備(拡幅)のためである。
貫井・富士見台地区まちづくり計画は
この地区の
歩道のない、狭く曲がりくねった道路や
公園緑地の少なさ
新耐震基準以前の建築物の多さ
などの問題を解決し
災害に強く、安全・安心で住みよいまちづくりを
実現するために
平成23年から始まったもので
今回、私の自宅を含むエリアが対象となったのである。
引っ越しにあたって
荷物を整理してまとめるには
随分時間がかかった。
懐かしい写真や、おもいがけないものが出てきて
色々と考えることも多かった。
しかし何よりも
十数年暮らした我が家が
このあと取り壊されること、に、さみしさを覚えた。
孫たちが生まれ、育ってきた家。
小さな庭には
二番目の孫の河津桜をはじめ
それぞれおもいでのある樹々。
家に対する愛着とは、これほどなのか、と
少し、おどろいた。
住み慣れた貫井町から離れたマンションでの仮住まいは
部屋数からも
今までのように「自分だけの空間」を持つことが難しい。
今はまだ何となく、落ち着かない感じだ。
今回のことで、改めておもったのは
災害で家を失った被災地の人たちのことだ。
私のように、区の事業で
計画も日程もある程度分かっていての
自宅の取り壊しであっても
これほどに労力を使い、気持ちの整理も必要である。
ましてや
突然の災害に見舞われ
自然の力に抗うこともできず
住み慣れた家やまちを
そっくりそのまま失ってしまうことは
どれほど辛く、かなしく、
言葉にならないほどのおもい、であろうかと。
そしてまた
仮設住宅など、これまでと異なる住環境に
長期に身を置き
復興に向けて努力していくということは
どれほど大変なことだろう、と。
東日本大震災以降にも、数々の災害が起こり
今年の夏も豪雨や台風の被害が発生した。
復興関連の記事も
被災状況を伝えるニュースも
今の私には
今までより一層、重く感じられる。
被災地の人たちの気持ちをおもい
心を寄せ続けること。
今一度、しっかりと心に刻みたいと、おもう。
まちづくり事業は
20年以上の長い時間をかけて進められる
地域の皆さまの
ご理解とご協力なくして、進まない事業である。
今後も、この事業によって
住み慣れたまちが
より住みよいまち、愛せるまち、になるよう
区政の場で、努力していきたい。
我が家とのしばしの別れにおもうこと
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