令和時代が始まった。
昨年新元号が発表された時、
自分の名前の一文字が入っていることを光栄におもうとともに、
新元号や過去の元号に込められたおもいを知りたいと、
色々と調べてみた。
私の生まれた「昭和」は、
書経にある「百姓昭明 協和萬邦」という一節に由来し、
国民の平和と世界の共存・繁栄を願うものだ。
「平成」は、史記にある「内平外成」と、
書経にある「地平天成」という言葉から、
国の内外、天地とも平和が達成されることを意味するという。
古くは、
天災や疫病の流行など、人々にとって不幸なできごとが続いたとき、
負の連鎖を断ち切る意味で、改元していたことをおもえば、
元号に平和や繁栄を願う言葉や文字を用いようとするのは、元号の生まれた古代から、
日本人が持ち続ける「言葉の力」に対する、
深いおもいであるように感じる。
昭和、平成の時代をおもうとき、
元号に込められたおもいとは、違った方向に社会が進んでしまうこともあると気づく。
昭和では、
平和と共存、繁栄という願いが込められていたはずなのに、
自国の繁栄へのおもいが強すぎたために、
戦争という悲劇を招いてしまった。
平成は、
国内外、天地の平和を祈るものであるのに、
各地でテロや自然災害が発生し、当たり前が当たり前でなくなることを実感する時代でもあった。
しかし、やはり元号に込められたおもいは強い。
昭和の敗戦後、日本は急速に復興を遂げ、
国際社会での地位を築き、国民の生活は、
格段に向上した。
平成においても、数々の自然災害に直面しながら、
人々は助け合い、復興を遂げてきた。
そして、「令和」。
和書を典拠とする初めての元号である。
万葉集巻五の序「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」
から引いたとされる。
「令」には、
吉と通じるめでたい意味があるとともに、
命令の意味を含むことから、
令和は「和たらしむ」とも読めることから、
「世の中を平和にさせる」
「世界が調和され、平和が永遠に達成される」
というメッセージが込められているという。
昭和、平成に続く令和は、
これまでよりも一層の平和と安寧への強いおもいがあるように、
おもう。
令和2年が明けた。
元号に恥じぬ時代にするために、
新たな時代、区政の場に立てることに感謝し、
自らの経験と感性、
そして新年を持って、
邁進することを心に誓う、
新年である。
元号のおもい 言葉のちから
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