
このところ
ちょっとした食事制限をしている。
血糖値をコントロールするためなのだが
いろいろと本を読み
自分なりに納得できる、とおもったので
一念発起、はじめてみたところ
かかりつけ医も驚くほど、
数値改善をしてきている。
食事制限、というと
なんだか病人になったようでよくないが、
体調を自分でコントロールできている、という
達成感のようなものがあり
むしろ、楽しくやっている。
やり方は、とても簡単である。
「糖質」の摂取を抑えること、これだけである。
糖質を摂取しないために
糖質を含む食物を、
なるべく食べないようにするのだが、
そうするためには
どの食品に、糖質が含まれているのかを
知らなくてはならない。
食品群としては
米、小麦などの穀類、イモ類、果物など。
もちろん砂糖、これを使う菓子類、飲み物も。
もともと
米の飯や蕎麦などが好物な私にとっては
それらを控えることは少々つらいのだが、
体調をコントロールし
いつまでも健康でいられれば
いつまでもおいしく食べることができ
気力、体力充実して
仕事に当たることもできるだろうと
がんばっているわけだ。
おもしろいのは
日本酒やビールのような醸造酒はだめだが
焼酎やウィスキーのような蒸留酒はOK。
仕事上も、趣味としても
やはり「ちょっと一杯」をかかせない私にとっては
好都合な食事制限では、ある。
ところで、
この食事制限をはじめてから
気づいたことがある。
まずひとつは、
これまであまり気にせずに食べていた
加工食品の意外と多くに、
砂糖はもちろんだが
様々な食品添加物が使用されているということだ。
買い物に行き、
食べてみようかな、とおもった商品を手に取り
必ずひっくり返して、成分表示を見ていて
気づいた。
流通している食品に
必要以上に神経質になるつもりはないが
少なくとも
自分が何を食べているのか
きちんと分かるような食生活をしたいものだと
おもうようになった。
もうひとつは、
「ものの味」に敏感になったようにおもうことだ。
甘いものを食べなくなってから
野菜の甘さ、
少しだけ口にしている、果物の甘さ、など
これまであまり思わなかった
「素材の味」を感じるようになっている。
考えてみれば
ほんの百数十年前の江戸時代など
砂糖は庶民の口に入るものでなかったのだし
その頃は
果物の柿の味が
一番甘いものだとされていたそうだから
もしかすると
私の舌は、
むかしの人と同じになってきたのかも、しれない。
むかしに比べて
「食べること」がとても簡単なことに
なってしまった今、だからこそ
「食べること」を、もっと大切にしようと
改めて、おもう。
「客に招ばれたとき、客を招ぶとき以外には、
あまり贅沢はしていない。
しかし、小間切れ肉をつかうときでも、私なりに、
(念には念を入れて・・・・・・)
食べているつもりだ。
死ぬるために食うのだから、念を入れなくてはならないのである。
なるべく、
(うまく死にたい・・・・・・)
からこそ、日々、口に入れるものへ念をかけるのである。」
池波正太郎「男のリズム」(角川文庫)
残りの人生、
ますます力づよく、情熱を持って、
常に前に進み続けるために、
もうしばらく
「食べること」を大切に、
そして何より、楽しみながら
食事制限を続けてみようと、おもっている
食べる、ということ
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