搬送される病院の問題と病床数
2023年9月、議員突撃インタビュー第二回を敢行しました。
編集長の私、実は二年ほど前に救急搬送されたことがあるのですが、その時は「練馬区の病院ではなく隣の板橋区か杉並区の病院に搬送します」と言われ、結果的に板橋中央病院に搬送されました。
なぜ練馬区内の病院ではなく板橋区の病院に搬送されたのか?いつも疑問に思っていたので、保健福祉委員会の副委員長でもあり、医療・高齢者等特別委員会でもある川澄議員に伺ってみました。
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Q. なぜ練馬区外の病院に搬送されることがあるのでしょうか?
〇かわすみ議員
練馬区は23区内でも病院の数、病床数が極端に足りません。
加えて、練馬区には三次救急医療機関という高度救急病院がなかったのです。
私が国会議員の秘書をしていた時から、「練馬区の病院ではなく、板橋区や三鷹市の病院に搬送されるので困っている、何とか練馬区の病院にならないか」という相談が多くなっていました。
この病院問題が大きくなっていることに、何とかしなくてはという思いで、区議会議員に立候補しました。以来、ライフワークとして練馬区の地域医療や搬送される病院の問題と病床数を増やすことを訴えています。
ようやく今年(令和5年)の4月に、順天堂大学練馬病院が三次救急病院に格上げされましたので、搬送の問題は少しは解消されるでしょうが・・・。
練馬区はなぜ病床数が少ないの?
Q. 練馬区では実質、病床数が足りないのでしょうか?
〇かわすみ議員
私が平成27年に当選した時は、人口が69万~70万人いて、1800床しかなかったのです。実は、都内の他区では10万人当たりの平均の一般病床数は760床。でも練馬区はその平均の3分の1にも満たなかった。
せめて2分の1の380床にするべきだと、私はこの9年間ずっと言い続けてきました。
結果的には、
順天堂病院が100床の増床で500床になり、光が丘病院が200床増床して450床になりました。
慈誠会・練馬高野台病院、これはリハビリ専門病院なのですが218床。
令和7年度末までには1000床増やしたい。
2800床になれば、23区平均の3分の1から2分の1にはなるんですが、それでもまだ半分しかないんですよ。
Q. 練馬区はなぜこんなに病床数が少ないのでしょうか?
〇かわすみ議員
練馬区は昭和22年に板橋区から独立しました。当初は人口が12万人ほど。そこから74年たった現在は7倍になりました。
社会インフラは整ってきたが、病院は遅れている。それが練馬区の弱点です。
実は、板橋区の病床数は人口56万人で8000床もあるけれど、練馬区の病床数は74万人で2200床しかないんです。
なんとか病床数を増やして令和7年度までに2800床までもっていこうとしていますけれど、それでもまだ格差がある。
同じ税金を払っているのに格差があるのはおかしいので、なんとか病床数を増やしたいのはやまやまなのですが、高齢者の増加に伴って国(厚労省)から医療費を抑えるようにとのお達しが出てしまった。東京都は10万床まで病床数を抑えなくてはならない。
つまり、板橋区の病床数を減らして、練馬区に病床数を持ってくるしかないんです。
だから板橋区と連携をとって、細かい調整をしなければならない。
それが結構大変なのです。
板橋区には帝京大学付属病院や日大板橋病院などの大きな病院がある。
経営悪化でなくなっている小さい病院もあるので、そういうマイナスから生じた病床数を
練馬区に持ってくるなどです。
東京都の病床数の制限問題と地域格差
Q. なるほど、東京都の病床数の制限があるから、増やしたくても単純にはいかないのですね。
〇かわすみ議員
実は、病床数の地域格差は東京都全体にもあるんです。
東京都の東部側は国立がんセンターや大学病院などの大きな病院が多いのですが、西側には少ないんです。それなら西北部側に病院を招致すればいいのですが、先ほど言った東京都の病床数は10万床までに抑えろと言われていることで簡単にはいかないわけです。
今は、癌の罹患率も二人に一人と言われています。西部側にも癌に強い病院を招致したいんですが・・・。
病気は早期発見することで何とかなったりします。税金は皆さんが払って出来ているのだから、健康寿命を長くするために使ってほしいと思っています。
練馬区では、
肺がん・大腸がんの健診がありましたが、新しく前立腺がんも特定健診で受けることが出来るようになりました。
前立腺がんのPSA検査が500円くらいで出来ます。
血液をちょっと採るだけの検査ですから簡単です。
先手を取って予防医療をすることも大切です。
健康診断をもっと利用してほしいですね。
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かわすみ議員ありがとうございました!
病床数が23区の中でも少ないという事実に改めて驚きました。
コロナ禍でも病床数が足りない問題が取り上げられてきましたが、私達区民も積極的にこの問題に関心を持つことが大切ですね。
まずは健康診断を受けましょう~♪
練馬区はなぜこんなに病床数が少ないのか 少ない 病床数
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