定例会一般質問 かわすみ雅彦「順天堂練馬病院の支援と増床」 第二回定例会 かわすみ雅彦 一般質問2 かわすみ 雅彦 練馬区議ウェブ議員新聞

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定例会一般質問 かわすみ雅彦「順天堂練馬病院の支援と増床」

医療

かわすみ 雅彦

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練馬区議会自由民主党

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2025-8-5

第二回定例会 かわすみ雅彦 一般質問2


かわすみ雅彦順天堂練馬病院の支援と増床」
順天堂練馬病院等の支援と病床の増床についてです

病院経営についての報道では、全国の私立、国立大学の各付属病院の経営状態は厳しい状況ではあったものの、コロナ特別給付金等の国からの莫大な助成金により、一時的に令和5年まで黒字経営でありました。

ところが、昨年の令和6年度に国からのコロナ補助金等がなくなり、全国一斉に各大学付属病院の経営悪化が表面化し、8割の病院が赤字となるなど「高度医療の危機」と言われております。

我々に最も身近で頼りにしている、区内最大の順天堂練馬病院。開院以来、2次救急に対する貢献が評価され2023年に3次救急救命センターとなりました。

それ以前は区民全ての3次救急患者は区外に搬送されておりましたが、現在では、半数を超える区民が順天堂練馬病院において治療可能となりました。

これまで練馬区は、順天堂練馬病院に対し、順天堂の誘致、3号館建設、90床の増床を合わせておよそ100億円の補助を拠出しておりますが、高度医療を担う当該病院の経営状態は、全国同様に多くの患者を診察しても、収益が上がらないのが現状とのことです。

関係者に実際話しを聞くと、97%の病床稼働と10日を下回る平均在院日数で多くの患者を診療しており、これは通常の病院での病床稼働率が80%台ですので、既に限界であります。

この状態でも経営状況はまさにひっ迫状態とのことです。

多くの高度医療機関は、材料費の高騰に加え、人手がかかります。その状況下で、収入を上回る経費増になっているとのことで、明らかにこの推移をみると、赤字化は必至であり、事実、昨年の収支は数億円の赤字とのことです。

そこで、順天堂練馬病院が何故、赤字なのかを関係者に聞くことが出来ました。

経費は大きく分けて、人件費、設備材料費、ランニングコスト、そして薬価だそうです。
先ず、約270名の常勤医師の人件費。

このうち育成機関としての付属病院では70名がインターンとして勤務しております。次に常勤看護師、約800名、臨床技師、薬剤士等の200名、合わせて約1000名。

更に外部委託している駐車場の誘導要因、警備員、院内店舗等のコスト上昇など、これらすべての人件費がベースアップすることで、全体の人件費が大幅に増加しているとのことです。

次に設備である医療器材コスト。 

高度医療、3次救急病院として必要不可欠な設備として、様々な医療機器があります。

しかし、その多くが米国製の先端機器に依存しており、手術支援ロボットの代表格であるダビンチ購入費用だけでも約4億円。

また、この機器を使用して行うオペは、消耗品の価格高騰で高度医療にも関わらず利益は少ないとのこと。

更に機器のメンテナンス代としてのランニングコストの高騰。

また、治療には無くてはならない高価な薬剤も経営圧迫要因の一つで、これまで治療が難しいと言われていた血液のがん患者を完治出来る、がん免疫療法の薬品代が約3300万円にのぼり、血液内科の医師は手間はかかりこそすれ、病院側の利益は数万円が普通。場合によっては赤字になってしまう、とのことでした。

厚生労働省の2年に1度の診療報酬改定はするものの、様々な費用の上昇が追いついていないのが現状です。

また、当該病院の深刻さは、全国同様、今後の老朽化する施設の建て替え費用です。

順天堂練馬病院は、まだ開院20年ですが、あと10年もすれば施設の改修コストや、3次救急に対応する機器類の買い替えコスト等、様々なコストが次から次へと波のごとく押し寄せてくるのは明らかです。

490床の病床の稼働率97%と高い病床稼働率でも、高度医療の現場では、赤字体質が固定化されつつある現状をしっかりと我々は認識すべきです。

地域の高度医療を担う唯一の病院として命の最後の砦としての順天堂練馬病院として、かつての日大のような撤退は絶対に避けなければなりません。

また、隣接の武蔵野市にある吉祥寺南病院は幸いにして、事業後継者は決まったものの、老朽化による建て替えが建設資材の高騰や経営状況を理由として困難となり、一時期は診療休止となっていたのも記憶に新しいところです。

区においては、従前にも増して、区内病院と経営状況も含めた情報共有を密に行っていただくこと、既に都は補助金などの支援策を個別に施策として実施されているものの、基礎自治体としてもこれらの支援策を強く要望させていただきます。

一方、病床の確保は、この10年間で約1,000床の大幅な増床を達成しており、高く評価いたします。

しかし、75万区民に対して、依然として23区の10万人当たりの一般病床数は半分に過ぎません。区における、今後の病床確保についてお聞かせください。

あわせて、医療環境整備基金の積み増しも行うべきと考えますが、ご所見を伺います。

かわすみ雅彦議員 練馬区議会定例会一般質問より
 「順天堂練馬病院の支援と増床」

定例会一般質問 かわすみ雅彦「順天堂病院の支援と増床」